日本最初の大規模ニュータウン・千里ニュータウンは、1962年の「まちびらき」から58年が経過し、抜群の立地に恵まれて「再生」が進んでいます。しかし、ただ新しくなっていくことだけが、「いい町」になっていくことではありません。

 日本では大都市圏でさえも人口が減っていくこれから、町が続いていくためには「選ばれる」ための「魅力」がたえず必要です。「千里は立地が抜群だから決して寂れない」というだけでは、ただ便利なだけの無味乾燥な町になってしまいます。どうすればよいのでしょうか?

 千里には幸い、「最初のニュータウン」として人々が込めてきた愛着・個性と、いつも新しい人がやってくる活気、オープンさがあります。その中には、吹田市が2012年9月に開館した「吹田市立千里ニュータウン情報館」など、いくつかの情報発信拠点があります。

 私たちは、そのような場を大切にしようと、2014年、任意団体としてささやかにスタートし、企画展の業務委託を中心に経験を重ねてきました。2006年、吹田市立博物館「千里ニュータウン展」では、市民による実行委員会が大きな成果を上げましたが、地域の記憶を継承・発展させるためには、やはり市民目線の常設的な実行団体が必要です。
 そして、この間にも千里ニュータウンは開発当時の関係者の高齢化が進み、資料の散逸も懸念される状況が続いています。それは千里にとってだけでなく、日本のニュータウン、郊外都市開発が記憶を失うことでもあります。一方で同館には日本国内のニュータウンのみならず海外からも視察者が訪れ、やはり千里は「注目され続ける町」であることの可能性を示しています。それはまさに「千里レガシー」といえるでしょう。

 そこで、私たちは一般財団法人千里パブリックデザインを設立し、この巨大な人工都市が紡いできた貴重な文化的資産、ソフト面を含めたノウハウを再発見し、継承し、未来のまちづくりに生かすため、行政との信頼ある連携のもとに、よりしっかりした体制で臨みます。(2020年11月記)

 千里を愛する皆様のご理解、ご指導、ご協力を、よろしくお願いいたします!

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